丸太小屋をセルフビルドでつくる!

杉の4m材でハンドメイドの丸太小屋を建てた詳細をレポート

ログ壁を組む

原木の皮むき

いよいよ皮むきの始まりだ、まずこれを済まさないと、次の仕事に進めない。丸太小屋作りの原点と言える。音楽でも聞きながら、気楽に楽しく始めよう。やってみれば意外と楽しい作業である。前にも書いたが、原木は4m材160本使用、(その内5m材が7本、これは小屋組の棟木と母屋に使った。)丸太の太さは末口24cmと25cmで120本残りの40本が26、27cmとなっている。26、27cm、は初めの段階で使用した。

 

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カニクレーンでウマにのせる。シルログになるので、太めの丸太を選んだ。これは末口26cm の丸太。4m材なので場所を取らない。記念すべき1本となった。

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杉の皮はとてもむきやすい。1本むくのに45分位である、休み休みむいても午前中3本、午後3本、1日6本はむける。まあ先は長い、そんなにしゃかりきになることもないか。

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家族が手伝ってくれる、娘と息子。

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こまめに目立てをして使う。皮むきナイフ。

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こんな感じに、少し薄皮をのこしてみた。ワイルドな雰囲気があっていいと思う。(自分だけかな?)ささくれは無いようにする。

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ログ壁の組み立て 

半割り丸太を挽く。15mm幅の墨を打ち、それに沿って横挽きする。チェーンソーは、大型のスチール034を使った。ジグザグに刃を進めていく。

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2つに割ったところ。電動カンナで仕上げをして、芯ズミを打つ。

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半割丸太はノッチが無いので、リカーブカットだけ行う、丸太の太さによりカットの長さは変わるが600を基準とした。この後サンダー仕上げをする。この上のノッチがジョイントノッチになる場合は、半分ずつ載せるので、上は載せやすいように幅50mmほど残す。

この項ではノッチやグルーブのカット方法は、記してない。

三浦亮三郎さんの「ログハウスのつくりかた」に詳しいので、そちらを参照される事をお進めする。

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セットした状態、土台との間には防水テープを貼る。根太と床板が当たる部分は写真のように、平らに削っておく。ジョイントノッチは末口どうをつなげる。この上の2段目は向きを逆にして、元口どうしをつなぐ。交互にセットして、偶数段でレベルに近くもっていく。

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コーチスクリューボルトで土台に緊結する。(L:240)一番重要な部分なので、ボルトの間隔は短かめに、スプリングワッシャと平ワッシャを必ず入れる。(乾燥対策)半割の底面には防水テープを貼る。下穴は13.5mmのキリで開けた。

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レンチで締める。

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シルログのセット。底面は土台に載せる為幅150以上とって、平らにしておく。元口を外に向けた。

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ラフノッチを済ませて載せたところ。フィニッシュスクライブをして、フィニッシュカットを行う。これからの全てのカットは(ラフノッチも含めて)下の作業台に移して行う。安全に落ち着いて作業できる。

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フィットした状態。リリーフカットは7~8mmあってもいい。

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浴室部分のシルログ、後で石を貼る予定なので、立面を平らに削っておく。芯から110で平らにした。キッチンの流しを設置する所と、薪ストーブの炉台の所も同じく平らに削っておく。後からではかなり困難な作業になる。

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シルログの下が、L型に削って有るのが分かるだろうか、ここに根太の小口と床板が入る。90程削った。シルログを土台に止めるには、400の六角ボルトの先を尖らせて、大ハンマーで打ち込んだ。(ここまで長いコーチスクリューは無い)

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ジョイントノッチは、短冊金物で緊結する。ノミで少し掘るとよい。末口と末口が繋いである。

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シルログをセットした状態。開口部は、それぞれ仕上がりより100ほど長めにしてある。スクライブがし易いように基礎に使ったパネルを仮床として、並べた。

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次の段から、ダボを打っていく。350~400位の六角ボルトを、下穴を開け900ピッチ位で打ち込む。通しボルトは入れなくても、ダボは必ず入れた方がいい。ダボを入れることによって丸太同士の密着性が増し、耐力壁としての強度が増大する。

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コンセントの処理。穴を開けて針金を通しておく。スイッチも同じ。針金はビニール被覆のものがいい。

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ノッチの高さがだいたい同じになるように、ラフノッチの段階で、カイモノを咬ませて調節する。ログウオールを組んでいく時に、一番重要な事は高さの調整である。偶数段で高さが等しくなるように、土台上端から高さを測り、その都度太い丸太を用いたりして、調節する。(低い所を持ち上げるだけでは、ワイデストが大きくなり、あまり意味が無い)

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中央部のブラインドノッチ、受けのリカーブカットは片側だけになる。

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2段めが納まった状態。芯墨は丸太の上端に必ず打つようにする。これは後になって開口部のカットの時に役に立つ。

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ジョイントノッチの接続。段差はノミで削る。

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この頃になると、カットも慣れてきて、ペースがつかめてくる。

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キッチンの流しが納まるスペース。垂直面を平に挽いておく。ここも芯から110。

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大活躍してくれた、カニクレーン。トーア製4段、1,3t吊、リモコン付き。ヤフオクで落札した。500cc位のガソリンエンジンが付いてる。

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ここは、ストーブの炉台になるところ、同じく平らに挽いておく。

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リカーブカットの様子、チェンソーの背側で切る、腹で切るよりはるかに切りやすい。長さ600を基準とした。

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サドルノッチのフィニッシュカット、慣れてしまえば、それほど難しくはない。(と思う)オーバーカットしても、自分の家だ。模様だと思えばいい。

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これがドヤ顔って言うの?

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グルーブのカット。初めにガイドラインを入れる。

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この辺のテクニックは、ブログじゃ解説できない。どこそかのスクールに行って勉強してチョーダイ。

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サドルノッチのカット。スコアリングより1mmほど残している。

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半ノッチはこんな感じである。スクライブラインが残っているのが見える。

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仕上げ用のアックスで、残った部分を削る。

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グルーブも同じく、スクライブラインまで仕上げる。

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仕上がったログ、ログエンドの部分は130位Uグルーブにしてある。

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窓の部分はあらかじめ開けた状態でセットする。

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裏口と窓の開口部。

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窓の上端材、リモコンで操作してる。

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開口部の上端材、スミを出してレベルを取ってから、降ろして平挽きする。これは、ブラッシングという作業。

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小型カンナで仕上げる。

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こういう状態に納まる。あとで両側をスミに沿ってカットする。

ここで重要な課題がある、丸太はそれ自身の重量と乾燥により収縮し、壁面がさがってくる、これをセトリングという。従ってはめ込んだ建具が圧迫され、潰れてしまわないように、建具の上部に空きのスペースを必ず設ける。これをセトリングスペースと言うが、杉の場合約3%(乾燥の状態によるが)である。これに安全指数として20mmをプラスする。1820のテラス戸ならば、75mmとなる。

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玄関のポストが納まった状態。セトリング対策に100ほど上端を空けてある。

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ポストの両側には溝を掘って、小窓が下にスライドするようにしてある。ポストのほぞ穴もつっかえないように、深く掘る。

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部屋の中央部の開口、上は少しアールをつけた。くどくない程度に。

キーウェイが掘ってある、ここにキーボードを付けた半割丸太をはめ込む。

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半割のポストをはめ込んだ。ログエンドのズレも無くなるし、美観的にもいいと思う。

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開口部の処理、まずスミに沿ってカットしていく。ガイドは入れずに一気にいく。

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キーウエイのカット、30mm幅のキーウェイ両側にガイドを入れる。切り込み70くらい。

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中側の部分を欠き取る。

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ここにも半割丸太をはめ込んだ。

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有線のリモコンで操作する。

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梁の受けになる部分、ロックノッチとした。875ピッチ。

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中央部の上部はこんな感じで、ジョイントノッチの集合になってしまった。構造上やむをえない。

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梁のロックノッチ、チェーンソーと丸のみを使って仕上げる。

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梁が載った状態。上端は土台からポイントをとって、平らに挽く。

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中央が欠き込んであるのは、下に付けるの照明の配線用。

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梁のジョイント部、長めの短冊金物を使った。

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梁のログエンドは、芯から400で落とした。

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梁が入ると格好がついて、家らしくなり、ある種の感動がある。やっとここまで来たか。

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最後の桁(プレートログ)が納まった、桁の上端は屋根勾配と同じ、6寸勾配に挽いてある。ログエンドは軟弱なアールのトリミングなどせずに、ごっつく切りっぱなしがいい。この方が飽きが来ないし、丸太小屋の原型でもある。

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桁にはダボを多めに打つ。軒が風で下からあおられると、ここに一番負荷がかかる。

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トラスの下端、陸バリと呼ばれる部位。梁のキャップログでもある。

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これでログ壁は完成である。あとは、漂白剤をハケ塗りしておく。

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