総括として
月日は矢のように過ぎ去っていく。その昔、少年老いやすく学成りがたし、一寸の光陰軽んずべからず、と教わったがまさしく当を得た言葉である。ここに地所を求めて、丸太小屋を自力で建てようと決心したのは、3年前の事であった。毎日、毎日、ワンコをオトモにここに通った、冬の冷たい風を受けても、夏の耐え難い日照りの下でも、揺るぎない目標があればこそ、自信をもって作業を進めた。仕事はとても楽しく、毎日がワクワクのしっぱなしだった。こんなに面白い体験が、今の世の中他に有るだろうか。自分の成し遂げた仕事が、目の前に確かな形として蓄積されていく。丸太が一段一段積み重なっていく、そこに深い満足感と達成感がある。明日が来るのが楽しみでしょうがない、夜は次の手順と段取りに思いを巡らせた。正味2年5ヶ月の、年月の集積がここにある。人生も終盤に近く、貴重な持ち時間を有効に使えた事がなんとも嬉しい。このささやかなブログが、これからセルフビルドを目指す方々の、少しの参考になれば幸いである。
物事には資金が必要になる、何に如何ほどかかったか、簡単に記してみる。これから取り組もうとしている皆さんの役に立つのではないだろうか。
基礎工事:581,000円
杉丸太原木:1,236,000円
材木代:836,000円
足場丸太:44,000円
クレーン代(一日レンタル):45,000円
建具代:579,000円
金物、雑費:195,000円
設備機器:378,000円
給水、給湯工事:493,000円
コンクリート、石、タイル:210,000円
屋根材:290,000円
断熱材(屋根、壁、床):57,000円
照明器具:120,000円
電気工事:306,000円
排水工事(合併浄化槽込):198,000円
ガソリン、オイル:215,000円
仮設電気代:24,000円
塗料:93,000円
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合計:5,900,000円
塗装工事
塗料はシッケンズのHLSeを塗った、色はナチュラル(077)。シッケンズを使う事に迷いは全く無かった、この塗料の良さは他をしのいでいる。ログハウスの為に有るような塗料だ。色はやっぱりナチュラルだろう、しかしメンテナンスで何年か先に塗り重ねをすることを考えると、もう少し薄い色があってもいいと思う。現状ではこれより薄いと、透明になってしまう。
使用量:16リットル缶×2 4リットル缶1
屋切りの部分は足場のあるうちに塗っておいた。これで2回塗り。説明文では3回塗るように勧めているが、自己判断で2回塗りにした。どうせ数年後にまた塗ることになる。塗ったところと未塗装の部分の対比が際立っている。
壁面を1回塗りした状態、壁面は脚立で塗った。
これで2回塗りした状態、満足のいく色になった。
破風と鼻隠しにはキシラデコールを塗った、色はチーク。これは取り付ける前に3回塗りして乾燥させてから取り付けた。室内の丸太壁面は無塗装、建具周りはオイルステインで塗装。床はUV塗装してある板を使ったので、手間がだいぶ省けた。
排水工事
いよいよ工事も進んできて、後は給排水工事を残す位となった。給水工事は法的な面もあるし(水道管からの取水は指定業者のみ許可)工事の内容がかなり専門的で、専用工具も必要になる。こればかりは独断では出来ないと思い、ちょっと手を付けないほうが安心なので、設備屋さんに任せる事にした。しかし排水工事はやっても構わない(はず)自己責任でやる分には、たとえ漏れても土の中?こんなノリでやってみることにした。実は、もう一つ大きな要因があった。それは予算の問題、工事も終盤にさしかかり懐具合が寂しくなってきて、ここで出費を削らなければならなくなった。設備屋さんの見積もりだと、合併浄化槽工事と排水工事で60万ちょっとである。自分でやる場合試算してみると、20万位で出来る事がわかった。これはやらない手は無い!もう即決である。早速インターネットで合併浄化槽を検索、コンパクトな新型のクボタKZー5に決定、排水管資材は隣町のホームセンター(カインズ)で揃う事がわかった。こればかりは、初めてのことで、何をどうすればいいのやら、器材売り場でああでもないこうでもない、と現物を手にパズルを解くように悩んでいた。一度帰って、ネットとユーチューブで特訓し、設備屋さんにも教えてもらって、やっと概要をつかんだ。素人工事だがその顛末を記していきたい。役場には届けを出すだけ。(※自治体によっては、合併浄化槽の設置に補助金を出してくれる所がある、私の住んでる千葉県いすみ市は新規の設置に補助金は出してくれない)
合併浄化槽は初めに埋める、問題はその埋める深さである。排水の出る一番遠い場所からの距離を測る、約20mであった。勾配1/50で配管するので、一番遠い場所の排水出口から浄化槽にの入水口まで40cm下がっていればいい事になる。浄化槽を埋めた時にふたが地面に埋没しないように、かさ上げ用のチューブを用意しておく。
嵩上げ用のチューブ? 何と言う名称か分からない。半分ほどに切って使った。
また、近所の人にお願いして掘ってもらった。ありがたい。
G.Lから1750掘削、掘ってみたら下は硬い粘土層であった、ラッキー!これならコンクリート打設は不要だろう、勝手に決め込んでしまう。(工事終了後も何の問題も発生してない、傾くことも沈下も無い。自分の家だ何かあれば自己責任だ)
これが配管資材、主管は100のVU、側管は50のVU、継ぎ手と枡、など。
暑い真夏にスコップの手掘りで穴を掘った、そこに枡を並べてみる。一番手前がトラップ付きの枡、これは浴室用、後はトラップ無し(設備器具にトラップが付いてる)いずれも右左の勝手がある。少しずつ勾配を付けて置いていく。
側管の50の管の入り口に受けになる部材を付ける。
これがトラップ付きの枡、くぼみに水が溜まり、臭気が室内に流れ込まないようになってる。室内側には、トラップを付けてはいけない。二重トラップで流れなくなってしまう。
コーナーの枡、これにも勝手がある。
接続したところ、接着剤は両方に付け素早くあてがう。150の管を縦に着け、フタをする。この写真が先に出てしまったが、接続は浄化槽側からやっていく。ここは最後の仕事になる。
とにかく、勾配をうまく取ることがコツである。流れるかどうか、勾配で決まる。
パイプの切断はディスクグラインダーを使った、面も取るようにする。
これはトイレの配管、トイレだけは各方向100で、おまけに入口側45度の角度が付いている。ここで大いに悩んでしまった。写真で分かるように、枡の方が下がっている、45度の角度が付いておまけに下げなきゃいけない、さてどうすればいいのやら。10分考えてひらめいた、45度のエルボをもう一つ求めて、それを二つつないで捻っていくのである、そうすると微妙な角度でピッタリはまる位置がでる。この事を探し当てた時の喜びは大きなものであった、設備屋さんなら常識の事だろうが、私にとっては世紀の大発見である。アルキメデスの気持ちが良くわかった。
60度のエルボで曲げた。
この先が浄化槽になってる、浄化槽には初めに接続する。
接続が終わったら、楽しい埋め戻しだ、もちろんスコップで。浄化槽を埋める時は、中に水を入れて埋める、そうしないと安定しない。付属のブロアーも取り付ける、13mmのVPで接続する。
排水工事とは関係ないが、ガス給湯器について。
この写真はノーリツの24号タイプの、エコジョーズ給湯器である。もちろん追い焚き機能付き、まともに買えば値引き済みで、138,000円位で販売されている。この給湯器は1年半使用の物を、送料込みで34,800円で手に入れた。どんな事情で手放したのか、知るよしも無いが、寿命10年が目安とされる給湯器が、この金額で手に入るならもっけの幸いではないか、廃品にするよりずっと有意義と思う。現在も快調に運転中である。(ネット通販:ワーライン)
内部工事
建具の取り付け
建具は丸太の小口にキーウェイを掘り、そこにネイラー(雇い実)を組み込み、枠を取り付け、その枠に組み込む。
これは玄関横の木製小窓、昭和のレトロなモールガラスがはめ込んである。同じ物が2つあったので、接着してペアガラスにした。これは接着して取り付けるまで、まる二日かかった、労作。
キッチンの窓。アルミサッシの枠を取り付けた。色はオータムブラウン。
障子のはめ込み。ペアガラスの高断熱タイプにした。
テラス引き戸の取り付け。
室内側、床板のスペースとして、15mmの クサビを挟んである。
寝室の窓、キッチン窓より高さが半ラウンド分短い。
欲室のガラスルーバー窓、型板ガラス。
裏口横の小窓、これも型板ガラス。
ロフトの上げ下げ窓、ここはセトリングスペースがいらない。
玄関ドアを取り付け。45mmドアなのでかなり重かった、樹種は分からないが、昭和時代のアンティークドア。
真鍮無垢のドアノブが、往事を忍ばる鈍い輝き。
裏口ドア、これも古い物で、ガラスのデザインが気に入ってる。
根太を打つ。
根太は杉の60×45、303ピッチで打つ。100のネダビスで止めた。
根太の下に給水・給湯の配管が見える、これは設備屋さんの仕事。
床下に入れた断熱材、フクビのフクフォーム。303ピッチに丁度ピッタリはまる。
薪ストーブ用の炉台、レンガも含めるとかなりの重さになるので、根太の間隔を狭くしてある。12mmの構造用合板を床の下張りで打つ。ツーバイフォー用の緑の釘がいい。
仕上げの床板、15mm赤松のUV塗装材。
玄関の土間、165角のテラコッタタイルを貼った。(タイルライフ)
上がりカマチは、アルミのアングルを取り付け、段差がなくていい。
階段下の下駄箱。
洗濯器用給排水、右側は配電カバー。
洗面所の給排水用。
キッチンセットの下地。丸のこで縦に切れ目を入れて、ビスで止めてある。(セトリング対策)
間仕切り壁
90×30の間柱をコーチスクリューで止める、セトリング対策に溝を掘ってある。
間仕切り壁の間柱は、基礎工事のパネルで使った60×30を、写真のように、縦と横に組み合わせて使うと良い。これで90になり、ブレ無く丈夫にできる。仕上げの板は、片側は横打、反対側は縦打ちになる。
電気配線と給排水の段取りをつけておく。
浴室の石張りの下地、キッチンと同じく、丸鋸の切り込みを入れて。ビス止め。レベルで垂直をチェックする。
杉の小割り板を打つ。
シャワー栓と追い焚き用の配管。
トイレとの堺、低めの腰壁とした。
浴室の壁、ここだけ桧の羽目板とした。やっぱり香りがいい。
トイレの引き戸、これも昭和のレトロなアンティークドア。同じものもう一枚、ロフトに使っった。
妻壁の下地、下と同じく、間柱は60×30を縦と横に組み合わせ90とし、中側は杉板を横打、外側は縦打ちとした。
透湿防水紙を貼る。タッカーの短い針で止めた。
水切りの取り付け。
妻壁の下端に水切りを取り付け、何枚か繋いでいく。束の下端はコーキングしておく。
4分の杉板を縦打ちにした。トラス材に掘った溝の中に入れ込んでいく。面戸も処理する。
階段の製作
人が一人、登り降りできれば良いとの考えから、階段はコンパクトにした。一本登りである。段板は550×220、ケアゲは210。丸太の両サイドを平に落として、墨出しを容易にした。下は固定し上でセトリングを逃がしている。
この部分がずれて、セトリングに対処する。
この台は下駄箱用、下の二段は少し外側に振って角度を付け、登り降りをしやすくしてある。
手すり材は外の足場に使った小丸太、生木だったが、一年近くも風にさらし、よく乾燥した。
一本の手すり子で、二段の段板を支持している。これで段板のブレを完全に止める事ができた。
床板は赤松を使った、UV塗装がしてある。冬は温かいが、難点は少し軟らかいこと。キズがつきやすい。接着剤をつけてフロアビスでとめた。
自作の床下収納庫、大引までスペースを一杯にとり、中の合板の箱は取り外しできるようにしてある。天板はたわまないように、30mmにした。
浴室の工事
杉の小割り板の上に、防水紙を張り、ラス網をタッカーで打つ。その上にモルタルを塗っていく。この状態でしばらく乾燥させる。
今回貼るのは、ジャワ鉄平石。インドネシアのジャワ島で採れる、日本の鉄平石によく似た石である。自然の風合いがあり、素朴な感じが気に入ってる。タイミング良く、歳末処分セールがあり、1トンも買ってしまった。(松下産業)
貼るのには、タイルを接着するセメントを使う(キープメント)、重いのでモルタルでは着かない。写真のように、木片をはさみ、つっかえ棒をして貼っていく。簡単に貼ると言っても、これがなかなかの大仕事になった、形を整えようとハンマーで叩くと、ポロっと違うところが割れてしまう、破片の山を築いてしまった。丸太のようにはいかないものだ。それでも諦めずに少しずつ進めていって、なんとかやっと形にする事ができた。
乾燥を待って、目地モルタルを詰める。市販のタイル用グレー色を、スポンジのコテで塗りこみ、乾かないうちに濡れた大きなスポンジで、拭き取る。これを何回も繰り返す。汗だくの仕事である。左官屋さんは大変だ。
石だけでは味気ないので、貝をはめ込んでみた。子供がいれば喜びそうだ。
これは沖縄のシャコ貝。
シャワー栓がついた、これは設備屋さんの仕事。
浴槽をセットする。これもお得意のヤフオクで落札した、新古品の浴槽。140サイズで丁度ピッタリだった。材質はFRPでアイボリー色。
エプロンをつけてだいぶ見栄えが良くなった。快適に使用中。
洗面所に貼ったテラコッタタイル、スペイン製の165角。下地合板の上に貼るので、接着剤は合成樹脂系の物を使う。合成樹脂系は乾燥しても、硬いゴムのようになり、人が上に乗った時に弾性があり、ヒビなど入らず耐えてくれる。(タイルは、タイルライフ)
洗面所、少し乱雑だが現在使用中。600サイズの洗面台だけを購入し、周りに浴室で余った桧羽目板を張った。
トイレの床、すぐ隣にシャワー栓があって濡れるので、タイルにした。
トイレ器材も新古品をヤフオクで落札した、未使用の型落ち品である。新製品が次々に出るので、型落ち品は倉庫にいくらでも眠っている。買わない手は無い、格安である。
薪ストーブの炉台、ホームセンターで買ったレンガを積んだ。これはモルタルでもいいと思うが、石張りのタイル接着セメントが余ったので、それを使った。目地ゴテはわざと使わずに、少しセメントをタレ気味にして、乱雑な雰囲気にしてみた。
我が家の薪ストーブ、今年の冬は大活躍をしてくれた。これは2万5千円と言う信じられない金額で手に入れた。鋳物製の新品。(野崎産業)煙突はホンマ製作所。
換気扇フードは開口部のサイズが合わなくて、取り付け不可であった。フィルター付きの換気扇でなんとかしのごう。
キッチンのタイル貼り。ここは火を使うので、セメント系の接着剤で貼った。タイルを切るのには、ダイヤモンドディスクを使う。
キッチンの流しセットを収めたところ、165サイズ。サンウェーブの訳あり品で、かなり安かった。でも、どこに訳があるのかさっぱりわからない。
照明器具の紹介。
これは居間に付けた、船舶用の照明器具。真鍮のムクでできてる。丸太小屋によく合うと思う。でもいい値なので残念ながら全部これには出来ない。ここと外灯だけ付けた。(松本船舶照明)中にはLED電球が入ってる。
キッチンと寝室に付けた、シーリングライト。梁の下に付けるので、薄いタイプを選んだ。変光、変色ができる。( パナソニック)
洗面所のミニシーリングライト、とても明るいが、FMラジオに大きな雑音が入るのが欠点。(山善)
トイレと浴室用。
ロフトはシンプルに蛍光灯だけである。コンセントを沢山付けたので、必要ならば電気スタンドでも付ければいいと思ってる。
ここは屋根裏部屋である、本来倉庫であって、居住空間では無い。だからドーマーも天窓も付けなかった。これからの気候変動を考えると、ドーマーと天窓は無いほうが安心な気がする。大きな雹が降ったら天窓は簡単に割れてしまうと思う。
やっと玄関にポーチを作った、これは300角のテラコッタタイル、エジプト製。ただ普通に貼っても面白く無いので、一部分だけ割って貼ってみた。へそ曲がりの所以である。どうだろうか。(タイルライフ )
屋根工事
屋根の大まかな構造を説明する。初めに化粧垂木として、75×45の杉垂木を打つ。次にその上に、天井材の4分杉板を上から打つ。その上にまた60×45の野垂木を打つ。野垂木の間に断熱材のスタイロフォームをはめ込む。次に野垂木の上に野地合板として、12mm構造用合板を打つ。あとは通常のアスファルトルーフィングをタッカーで止め、仕上げにガルバリウム鋼板を打ち付ける。以上が大体の工事内容である。天井板は下から打ち上げる工法もあるが、これは避けたい。吹き抜け部などは高い足場が必要になり、労力もかなりのものになる。
断熱材と野地合板の間に30mmの空間を設け、ここを通風のスペースにして、棟に取り付けた換気棟から空気を抜く。これで屋根内部の空気が常に抜け、湿気がたまることを防ぐ事ができる。
垂木を止める最強のビス、タルキーネジ、脳天から一発で決まる。(匠の一冊)
垂木はピッチ455で追っていく。化粧垂木は下から見えるので、仕上げをして面をとっておく。
化粧垂木のジョイント、一番上の母屋で継いだ。棟のところは、拝み合わせにする。
四角いビット穴。
垂木のあおり止めの金物を取り付ける。
4分の相じゃくり杉板を天井板として打つ。全部で30坪分 。この板はネット通販の「まんてん木材」でアウトレット品を格安にて購入。60坪分を仕入れて、妻壁の内外と室内の間仕切り、窓の仕上げなど全部に使った。
この空間が外気の取り入れ口となる。
50mmの丸釘で打った。
野垂木(60×30)をビス止めする、(化粧垂木の上に)ビスは120を使用。棟のところは、拝み合わせにしないでカネに切っておく。ここが連続空間となってつながり、換気棟から空気が抜ける。
野垂木が納まった。
この野垂木の間に断熱材のスタイロフォームをはめ込み、サイドを桟木で止める。
30mmのスタイロフォーム、スミを打って丸のこで切った。これなら雨に濡れても、心配無し。
煙突の固定金具、野地合板の上にステンビスで取り付け。(ホンマ製作所)
アスファルトルーフィング、野地合板の上にタッカーで止めていく。
薪ストーブのフラッシングを取り付ける。(ホンマ製作所)これもステンレスのビスで止める。この時下側にはビスを打たない、屋根材をここに差し込んでいくのである。
今回使ったガルバリウム鋼板の部材、長さ1820、働き幅320。これを左端からステン釘で、タルキに打つ。垂木に直に打っていくので、強固に止める事ができる。これはヤフオクにて入手した。(ハウスサポート)
6寸勾配なので、このような簡易足場で仕事ができる。カネ勾配だとこうはいかない。
煙突を取り付け、ストームカラーの周りにコーキングする。
ケラバの納まり。
軒下の空気取り入れ口。(匠の一冊)
棟に取り付けた換気棟。これはは半間だが、後から考えると一間物にしとけばよかったと思う。(楽天市場・花島)
足場を架ける
足場工事
足場には金属の単管パイプを使うのが一般的だが、今回は間伐材の杉を使用。これなら足場に使った後も、様々な使いみちがある。長さ6mの小丸太を45本使った。
まず、位置を決めて30cmほどの穴を掘る。
垂直に埋めていく。
正面に5本立った。監督さんがしっかり見てる。
一段目を足場 番線でキッチリ結ぶ、ヨレが無いようにシノで回し締めする。
初めの一段目が入った。
二段目を入れる前に、筋交いを決める。
筋交いの下端は、杭を打ってビス止め。
二段目を架ける。
3段目、助っ人が必要だ。
3段目は、継がないで一本でいく。
側面も同じように立てるが、先端を切って短くしておく。軒が800ほど出るので、その分を考えて離しておく。
2段目は軒の出を考えて、低めに結ぶ。
頼もしい助っ人。
長すぎた部分は邪魔になるので、すぐカット。
筋交いを充分に入れておく。
足場の完成である。
小屋組
.トラスを組む
小屋組を束立てだけで済ませるのではなく、トラスを組むことによって、その強度ははるかに増す。また、母屋の本数や位置を自由に出来るので、設計上の選択肢が高い。今回取り組むのは、変則クイーンポストトラスである。本来のフィンクトラスやキングポストトラスは、構造的には優れているが、機能的ではない、窓が付かないのだ。ガラスをはめ殺しにして、明かり取りとするしか無い。ロフトにはどうしても、通風の為の窓が欲しい。そんな訳で、色々考えてこの形にしてみた。
屋根勾配は、6寸勾配とした。ログハウスの屋根はカネ勾配が主流であるが、セルフビルドには適さない。急峻な勾配での屋根工事は、一人では体力的にかなりキツイ物がある。屋根足場も本格的に組まなければならないし、材料費だけでも、かなり割高になる。そんな訳で6寸か、7寸かと迷ったが、6寸勾配に決めた。
そしてドーマーであるが、作って作れない事は無いが、あえて作らない事にした。屋根はシンプルが一番いい。ロフトで終日暮らす訳では無いので、居住性は二の次である。カナディアンログによくある、ケラバを斜めにして張り出すようにする亀甲スタイルも取り入れない、雨仕舞が悪くなるし、屋根仕事がとても面倒になり材料のロスも多い。
作図してみる
トラスを作るには、まず施工図を描かねばならない。図を元にしてそれぞれの部材の寸法を計算で割り出していく。計算といっても、使うのは四則演算とピタゴラスの定理だけだ。計算機が一つあればできる。この図はスパン7,000の場合だが、それぞれの条件によって、寸法は違ってくる。是非自分で計算してみていただきたい。
トラスの部材を作る。杉丸太を160厚のタイコ挽にして、施工図に従いスミをつけ、カットしていく。この時、写真のような型板を5mmのベニヤ板で作っておき、これをあてがってスミを引くとよい。
これは真束になる部分。両端をトリミングしておく、これで墨出しが容易になる。
登り梁の下端の仕口。
登り梁の上端。
登り梁、ギリギリ4m材でまにあった。母屋が入る場所を欠き込んである。
束、外側に溝を掘ってある。この溝に仕上げの板をはめ込む。
束の上端。
ほおづえ
棟木の接合部。
母屋の接合部。台持ち継ぎの要領で斜めにカット。先端に突起を設けておけば、建て方の時にピタリと決まり安定する。
母屋。ボルト穴はあらかじめ開けておく。
漂白剤を塗ってカビを取っておく。漂白剤は家庭用のブリーチで充分、2~3倍に水で薄めて刷毛で塗れば良い。木材用の高価なものと成分は同じである。
トラスを組み立てたところ。足場丸太を使い作業台を作る、レベルに近くセットする。
ここは15mmの全ネジで緊結する。
クレーンで吊りやすいように、立てておく。登り梁の上端に足場の桟木を打つ。束の下端はブレないように、板で仮止めする。
小屋組の為に頼んだラフタークレーン。30tクラス。
さあ、吊り上作業の始まり。トラスが回らないように、ロープを下端に結び支持する。もちろん一番奥から設置していく。
おっと、ホゾにゴミがついてる。
ほぞ穴に収めたらカケヤで叩き込み、密着させる。
垂直を下げ振りで確認して、仮止めする。
トラスが載った状態。
母屋を下の段から設置していく。
母屋の接合部。
棟木が載った! ホットする瞬間だ。大きな感動もある。
載せるものは全部載せた。小屋組の完成である。一日かかると思ったが、息子と二人で半日で終わった。(クレーン代は半日分と言う訳にはいかないが)
二人とも頑張って少し疲れた。
このワンコはうちの監督さんです。
金物を入れる
トラスの各接点を、金物で結合する。棟木と束を羽子板ボルトで緊結。
母屋と登り梁は5分の全ネジで結合、スプリングワッシャは必ず入れる。
束類の下端はL型アングルで結合。
登り梁の下端は穴を開けて、ボルトを打ち込んだ。