道具を揃える(2)
道具の数々。
これらの道具は、ほとんどがネットオークションで安価に手に入る。中古でも十分役に立つ。
鉄ビシ
忍者が使うものではない、皮むきをする時に片側にあてがい、丸太を回す。とてもスムースに回ってくれる。これは作るしか無い、鉄工所に頼めば作ってもらえる。
小型、自動カンナ盤
これは是非揃えたい、板の厚みを一定にしてくれる。内装工事には欠かせない。
電動工具の色々。
150Φのディスクサンダーは、リカーブカットの仕上げ用。100Vのインパクトドライバーは、電池切れの心配が無く、力が強い。ドリル、丸ノコ、ディスクグラインダー、
電動カンナなど必須道具。
高速切断機
基礎の鉄筋は全てこれで切った。その他にも用途は多い。
卓上丸のこ
内装工事には、必要不可欠な一品。本当に重宝する。
仕上げ用溝切り
これは、ネイラーの雇い実を組むときに使う、必要な道具。引き戸のV型レールの溝もこれで加工した。
電動カンナ
120mmのカンナ、トラスのタイコ挽材の仕上げに使用。
振動ドリル
コンクリートに穴を開けるときに使う、基礎にオールアンカーを埋め込むなど。
ハンマードリル
コンクリートをはつるのに使う。それほど、使用頻度は高くない。
道具を揃える(1)
専用の道具
丸太小屋を建てるには、どうしても必要な道具が色々有り、それらを列挙してみます。
●木回し
皮むきなどで、丸太を回すのに使用。なかなか、金物屋さんでは見かけない、林業の道具。製材屋さんに聞くと、入手先を教えてもらえる。
●リフティングトング
クレーンで丸太を吊るのに使う。これはスウェーデン製で、ワイヤー一本で吊れば、テコの原理で締まるように出来ている。問い合わせ:グッドウッズ ☎0597-32-1000 林業用品通販店(ここは、他にもログハウス用品多数あり、カタログ請求する)
●皮むきナイフ
トラックの板バネから、鍛冶屋さんに作ってもらった。かなり年季が入ったナイフ。市販されてないので、探しがいのある道具。
●スクライバー
近代のログハウス作りに必須な道具。これなくして精緻なフィットは望めない。ログハウスの神様アラン・マッキーさんの考案による。上が通常タイプ、下がダブルスクライブ用。前後、左右のレベルを同時に見て、けがいていく。鉛筆は柔らか目の6B位がいい。慣れるまで少し要領がいる。同物ではないが前述のグッドウッズにある。またはシンワのWスクライバー「きこり」も使えそうだ。
●チェーンソー
私のは信頼できるスチール製の034と026、どちらも長年の酷使に耐えて、焼きつきもせず、よく働いてくれる。034は主に半割丸太を挽く時に、026はノッチやグルーブのカット、リカーブカットなどに使用。
電動チェーンソーも重宝な物で、室内の作業はほとんどこれを使った。排ガスは出ないし、軽量である。チェーンオイルは必要。コンビ缶とヘルメットも必要。
カニクレーン トーア製1.3t吊 リモコン付き
4mの杉丸太でも、生木ならば200kg位あるので、とても人力では動かせない。どうしてもクレーンが必要になる。私の使ったのはカニクレーン。これは石屋さんが、お墓などの工事で使うもので、アウトリガーをたためば幅80cm位になり、コンパクトで小回りがきく。だが、これで組み立てをするには、建物の3方面で作業できるスペースが必要。カニクレーンを探すなら、5段ブームのリモコン付き(有線)がいい。私のは4段だったが、あとすこし届かない、と言う事が少なからずあった。これで小屋組をかけるのは無理なので、その時は大型のラフタークレーンを頼むようにする。
この他にも、必要な道具はもちろん、多々あります。次にもう一度、記してみたい思います。
建具を決める
寝室窓、W1235, H770
テラス引き戸、W1235, H1830
裏口ドアと小窓、ドアはアンティークドア、ポストを間に立てればすぐ横に窓が付く。窓は横すべり出し窓W640, H570
浴室のガラスルーバー、W 780, H770
無垢材のアンティーク玄関ドアと、レトロな木製小窓。これもポストを挟んですぐ隣に設置。
サッシとドア
初めに建具のサイズを決めてしまわないと、丸太をカットする寸法が出ないので、カタログなどを参照してサイズを決めていきます。
私の使ったのは、アルミサッシ、トステムデュオPG、ペアガラス高断熱タイプ、色:オータムブラウン、「アングル無し」で注文すること。インターネットでかなりの割引率で販売している。
最近は、樹脂サッシも普及しているが、割高なのと、強度と耐久性がどうかな?と思うのでアルミにしている。木製サッシはいいが、高すぎる。
ドアは、昭和時代のレトロなアンティークドアが好きで、ネットショップで探して手にいれた。「アンティークギャラリー和音」や「時代家具のびる」がお進め。ドアノブも真鍮の無垢でいい感じである。丸太には古いドアが良く似合う。
間取りを考える
田の字のログウォール
間取りは、7m✕6mの長四角、それぞれ半分のところでジョイントし、田の字型である。中心部のノッチはブラインドノッチにして、ログエンドを無くし通行のじゃまにならないようにしてある。寝室を除き、各部屋の間にはドアをつけずに、開口とした。空間的につながっているので、閉塞感がなく広く感じる。室内のログエンドは、切りっぱなしにしないで、半割にしたポストを立てて、キーボードを組み込み強度を増している、美観的にもいいと思う。玄関ドアと裏口ドアのすぐ隣に小窓を設けているが、これは間にタイコ挽のポストを立てれば可能である。従来のやりかただと、1m近く離さねばならない。狭いスパンだととてもできない。(確認申請が通るかどうか、保証しません)
間仕切り壁は、洗面所と浴室の間の1ヶ所だけ、トイレと浴室の間は、低めの腰壁にした。複雑な間仕切り壁は無くし、シンプルにまとめた。ロフトは階段部の1/4が吹き抜けで、残り3/4を板張りとした。
杉の効用
杉材の特徴
ログハウスを作るにはさまざまな樹種があるが、杉はその中でも最高の部材である。幾つかの特徴をあげてみると、
●通直で節が少ない(カーブした杉など見たこと無い)
●柔らかく、チェーンソーワークが容易である
●手に入りやすい(沖縄を除いて、日本中どこにでもある)
●皮が薄くむきやすい(この事はとても重要、米松の皮むきは拷問のようである)
●しなやかで強度がある
●あばれが少ない(これが、大きく外材と違うところ)
●湿気に強く、腐りにくい
●虫がつきにくい
●ヤニがでない
●カビが出にくい(出ても表面だけで、中まで入らない)
●香りが良い
●比較的、安価である
このように利点を上げれば、いくらでもあるが、大きな欠点が一つ有る。それはテーパー(末口と元口の差)が強いこと、これが唯一の大欠点。このことがネックになって、長尺物での使用が困難になっている。また、長尺物は流通ルートにのっていないので、入手が難しい。 しかし、4m材を使う事によって、この欠点を補うことができる。しかも、短材は取り回しがとても楽で、作業効率が良い。2トントラックで現場搬入できるなど、少人数で作業するにはいいことずくめである。短材を使うのは、こういう理由である。
一つ問題が有るとすれば仮組みができない、(やってやれない事は無いが)と言う事であろうか。ジョイント部は半ノッチになるので、隙間が開きやすく、フィットさせてすぐ短冊金物で接合する必要がある。