基礎工事(1)
ベタ基礎を作る
ベタ基礎を自分で作ってみよう。セルフビルドでは、基礎作りを敬遠する向きもあるが、焦らずに手順よくやればそれほど困難ではない。また、独立基礎は考えないほうがいい、不等沈下が起これば直しようがない、あとで後悔するより、多少の困難はあっても、ベタ基礎に挑戦してみよう。私は根切りと生コン打ちだけ、近所の人の手を借りたが、あとは全て一人で行った。
ベタ基礎は布基礎のように換気口は設けず、基礎パッキンを用いて換気する為、鉄筋の配筋が容易になり、強度的にもずっと強くなっている。また、ベタ基礎は床下全体をコンクリートで覆ってしまうので、湿気があがってこない(ポリエチレンフィルムをスラブ下に全面施設)シロアリの床下侵入も防ぐことができる。
図面を引く
まず、基本となる施工図を描く、自分で施工する為の図面であるから、自己流でいっこうにかまわない。コンクリートの打設量や鉄筋の配筋方法、積算本数などの元になる。大まかな基礎の概念も掴んでおく。コンクリートは立ち上がり、スラブ共150厚とした。内側の立ち上がり部に800ほどの開口部を設け、配線、配管を可能にしてある。鉄筋は全てD13を使用(シングル配筋のため)。換気は基礎パッキンで行う。スリーブやアンカーボルトを入れる位置も決めておく。浴室のブロック囲みは生コン打設後に行う。寒冷地では、凍結深度まで根切りする必要がある。
単管パイプは全く使用せずに、型枠を組んでいく。セパと桟木の支えとコンクリートビスだけで、コンクリートの圧に耐える事ができる(実証済み)これにより、不要な出費が抑えられ、後になってパイプの保管に悩まされることもない。
やりかた。
基礎の芯より800ほど外に杭を打ち、レベルを出し、水糸を張る。と、書けば簡単だが、ここでレベルとカネが正確に出ていないと、後で問題が起きてしまう。時間をかけて、じっくり作業する。水糸は基礎の天端より、200ほど上に張る(アンカーボルトが150出る)私は、レベルを出すのに単純な水盛器を使った。
バカ棒を作る。水糸を基準にして、根切りの底、グリの天端、捨てコンの天端、などを記しておく。作業の都度、このバカ棒をあてがい、チェックする。
根切り。私の場合、運良く近くの人がユンボを持っていたので、借りる事ができた。根切りだけ土建屋さんに頼んでみてもよい。レンタルで借りる方法もある。また、便利屋さんでやってくれる所もある。
ランマーで転圧する。ランマーはレンタル、60と80があるが、60kgタイプで充分。バカ棒をあてがいながら、高さを調節する。
割栗石を敷き詰めていく。並べたらランマーをかけて、その上に砕石(40~0)をスコップで均等に入れる。
砕石の上から、またランマーで転圧する。振動でグリの隙間に砕石が入り込む。バカ棒をあてがい高さをチェック。
全面に砕石を敷き、均等に均していく。均したら、ここにもランマーをかける。
ポリエチレンフィルムを全面にはる。これで、基礎内面の湿気を完全に防止。
捨てコンを打つ。幅600、厚み50で捨てコンを打つ、バカ棒をあてがい高さを調節する。生コンは1リューベーで間に合った。発注するときは、捨てコン用の生コン(18×15×25)と言うこと、少し安い。これにて、第一段階が終わり。あとは乾燥を待って墨出しをする。
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道具を揃える(2)
道具の数々。
これらの道具は、ほとんどがネットオークションで安価に手に入る。中古でも十分役に立つ。
鉄ビシ
忍者が使うものではない、皮むきをする時に片側にあてがい、丸太を回す。とてもスムースに回ってくれる。これは作るしか無い、鉄工所に頼めば作ってもらえる。
小型、自動カンナ盤
これは是非揃えたい、板の厚みを一定にしてくれる。内装工事には欠かせない。
電動工具の色々。
150Φのディスクサンダーは、リカーブカットの仕上げ用。100Vのインパクトドライバーは、電池切れの心配が無く、力が強い。ドリル、丸ノコ、ディスクグラインダー、
電動カンナなど必須道具。
高速切断機
基礎の鉄筋は全てこれで切った。その他にも用途は多い。
卓上丸のこ
内装工事には、必要不可欠な一品。本当に重宝する。
仕上げ用溝切り
これは、ネイラーの雇い実を組むときに使う、必要な道具。引き戸のV型レールの溝もこれで加工した。
電動カンナ
120mmのカンナ、トラスのタイコ挽材の仕上げに使用。
振動ドリル
コンクリートに穴を開けるときに使う、基礎にオールアンカーを埋め込むなど。
ハンマードリル
コンクリートをはつるのに使う。それほど、使用頻度は高くない。
道具を揃える(1)
専用の道具
丸太小屋を建てるには、どうしても必要な道具が色々有り、それらを列挙してみます。
●木回し
皮むきなどで、丸太を回すのに使用。なかなか、金物屋さんでは見かけない、林業の道具。製材屋さんに聞くと、入手先を教えてもらえる。
●リフティングトング
クレーンで丸太を吊るのに使う。これはスウェーデン製で、ワイヤー一本で吊れば、テコの原理で締まるように出来ている。問い合わせ:グッドウッズ ☎0597-32-1000 林業用品通販店(ここは、他にもログハウス用品多数あり、カタログ請求する)
●皮むきナイフ
トラックの板バネから、鍛冶屋さんに作ってもらった。かなり年季が入ったナイフ。市販されてないので、探しがいのある道具。
●スクライバー
近代のログハウス作りに必須な道具。これなくして精緻なフィットは望めない。ログハウスの神様アラン・マッキーさんの考案による。上が通常タイプ、下がダブルスクライブ用。前後、左右のレベルを同時に見て、けがいていく。鉛筆は柔らか目の6B位がいい。慣れるまで少し要領がいる。同物ではないが前述のグッドウッズにある。またはシンワのWスクライバー「きこり」も使えそうだ。
●チェーンソー
私のは信頼できるスチール製の034と026、どちらも長年の酷使に耐えて、焼きつきもせず、よく働いてくれる。034は主に半割丸太を挽く時に、026はノッチやグルーブのカット、リカーブカットなどに使用。
電動チェーンソーも重宝な物で、室内の作業はほとんどこれを使った。排ガスは出ないし、軽量である。チェーンオイルは必要。コンビ缶とヘルメットも必要。
カニクレーン トーア製1.3t吊 リモコン付き
4mの杉丸太でも、生木ならば200kg位あるので、とても人力では動かせない。どうしてもクレーンが必要になる。私の使ったのはカニクレーン。これは石屋さんが、お墓などの工事で使うもので、アウトリガーをたためば幅80cm位になり、コンパクトで小回りがきく。だが、これで組み立てをするには、建物の3方面で作業できるスペースが必要。カニクレーンを探すなら、5段ブームのリモコン付き(有線)がいい。私のは4段だったが、あとすこし届かない、と言う事が少なからずあった。これで小屋組をかけるのは無理なので、その時は大型のラフタークレーンを頼むようにする。
この他にも、必要な道具はもちろん、多々あります。次にもう一度、記してみたい思います。
建具を決める
寝室窓、W1235, H770
テラス引き戸、W1235, H1830
裏口ドアと小窓、ドアはアンティークドア、ポストを間に立てればすぐ横に窓が付く。窓は横すべり出し窓W640, H570
浴室のガラスルーバー、W 780, H770
無垢材のアンティーク玄関ドアと、レトロな木製小窓。これもポストを挟んですぐ隣に設置。
サッシとドア
初めに建具のサイズを決めてしまわないと、丸太をカットする寸法が出ないので、カタログなどを参照してサイズを決めていきます。
私の使ったのは、アルミサッシ、トステムデュオPG、ペアガラス高断熱タイプ、色:オータムブラウン、「アングル無し」で注文すること。インターネットでかなりの割引率で販売している。
最近は、樹脂サッシも普及しているが、割高なのと、強度と耐久性がどうかな?と思うのでアルミにしている。木製サッシはいいが、高すぎる。
ドアは、昭和時代のレトロなアンティークドアが好きで、ネットショップで探して手にいれた。「アンティークギャラリー和音」や「時代家具のびる」がお進め。ドアノブも真鍮の無垢でいい感じである。丸太には古いドアが良く似合う。
間取りを考える
田の字のログウォール
間取りは、7m✕6mの長四角、それぞれ半分のところでジョイントし、田の字型である。中心部のノッチはブラインドノッチにして、ログエンドを無くし通行のじゃまにならないようにしてある。寝室を除き、各部屋の間にはドアをつけずに、開口とした。空間的につながっているので、閉塞感がなく広く感じる。室内のログエンドは、切りっぱなしにしないで、半割にしたポストを立てて、キーボードを組み込み強度を増している、美観的にもいいと思う。玄関ドアと裏口ドアのすぐ隣に小窓を設けているが、これは間にタイコ挽のポストを立てれば可能である。従来のやりかただと、1m近く離さねばならない。狭いスパンだととてもできない。(確認申請が通るかどうか、保証しません)
間仕切り壁は、洗面所と浴室の間の1ヶ所だけ、トイレと浴室の間は、低めの腰壁にした。複雑な間仕切り壁は無くし、シンプルにまとめた。ロフトは階段部の1/4が吹き抜けで、残り3/4を板張りとした。