丸太小屋をセルフビルドでつくる!

杉の4m材でハンドメイドの丸太小屋を建てた詳細をレポート

小屋組

.トラスを組む

小屋組を束立てだけで済ませるのではなく、トラスを組むことによって、その強度ははるかに増す。また、母屋の本数や位置を自由に出来るので、設計上の選択肢が高い。今回取り組むのは、変則クイーンポストトラスである。本来のフィンクトラスやキングポストトラスは、構造的には優れているが、機能的ではない、窓が付かないのだ。ガラスをはめ殺しにして、明かり取りとするしか無い。ロフトにはどうしても、通風の為の窓が欲しい。そんな訳で、色々考えてこの形にしてみた。

屋根勾配は、6寸勾配とした。ログハウスの屋根はカネ勾配が主流であるが、セルフビルドには適さない。急峻な勾配での屋根工事は、一人では体力的にかなりキツイ物がある。屋根足場も本格的に組まなければならないし、材料費だけでも、かなり割高になる。そんな訳で6寸か、7寸かと迷ったが、6寸勾配に決めた。

そしてドーマーであるが、作って作れない事は無いが、あえて作らない事にした。屋根はシンプルが一番いい。ロフトで終日暮らす訳では無いので、居住性は二の次である。カナディアンログによくある、ケラバを斜めにして張り出すようにする亀甲スタイルも取り入れない、雨仕舞が悪くなるし、屋根仕事がとても面倒になり材料のロスも多い。

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作図してみる 

トラスを作るには、まず施工図を描かねばならない。図を元にしてそれぞれの部材の寸法を計算で割り出していく。計算といっても、使うのは四則演算とピタゴラスの定理だけだ。計算機が一つあればできる。この図はスパン7,000の場合だが、それぞれの条件によって、寸法は違ってくる。是非自分で計算してみていただきたい。

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トラスの部材を作る。杉丸太を160厚のタイコ挽にして、施工図に従いスミをつけ、カットしていく。この時、写真のような型板を5mmのベニヤ板で作っておき、これをあてがってスミを引くとよい。

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 これは真束になる部分。両端をトリミングしておく、これで墨出しが容易になる。

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登り梁の下端の仕口。

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登り梁の上端。

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登り梁、ギリギリ4m材でまにあった。母屋が入る場所を欠き込んである。

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束、外側に溝を掘ってある。この溝に仕上げの板をはめ込む。

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束の上端。

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ほおづえ

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棟木の接合部。

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母屋の接合部。台持ち継ぎの要領で斜めにカット。先端に突起を設けておけば、建て方の時にピタリと決まり安定する。

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母屋。ボルト穴はあらかじめ開けておく。

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漂白剤を塗ってカビを取っておく。漂白剤は家庭用のブリーチで充分、2~3倍に水で薄めて刷毛で塗れば良い。木材用の高価なものと成分は同じである。

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トラスを組み立てたところ。足場丸太を使い作業台を作る、レベルに近くセットする。

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ここは15mmの全ネジで緊結する。

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クレーンで吊りやすいように、立てておく。登り梁の上端に足場の桟木を打つ。束の下端はブレないように、板で仮止めする。

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小屋組の為に頼んだラフタークレーン。30tクラス。

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さあ、吊り上作業の始まり。トラスが回らないように、ロープを下端に結び支持する。もちろん一番奥から設置していく。

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おっと、ホゾにゴミがついてる。

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ほぞ穴に収めたらカケヤで叩き込み、密着させる。

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垂直を下げ振りで確認して、仮止めする。 

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トラスが載った状態。

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母屋を下の段から設置していく。

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母屋の接合部。

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棟木が載った! ホットする瞬間だ。大きな感動もある。

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載せるものは全部載せた。小屋組の完成である。一日かかると思ったが、息子と二人で半日で終わった。(クレーン代は半日分と言う訳にはいかないが)

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二人とも頑張って少し疲れた。

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このワンコはうちの監督さんです。

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金物を入れる

トラスの各接点を、金物で結合する。棟木と束を羽子板ボルトで緊結。

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 母屋と登り梁は5分の全ネジで結合、スプリングワッシャは必ず入れる。

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 束類の下端はL型アングルで結合。

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登り梁の下端は穴を開けて、ボルトを打ち込んだ。

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