丸太小屋をセルフビルドでつくる!

杉の4m材でハンドメイドの丸太小屋を建てた詳細をレポート

渇水対策

 天水(雨水)を活用する

最近のダムの貯水量が心もとないので、少しでも貢献できればと思い、天水を活用する事を始めてみた。水道から出る水は元を正せば天から降る雨である。それを直接自分の家の屋根からいただく訳であるから、こんなに間を省いた実質的な事はない。

話は簡単である、雨樋の水を引き込めば良い、早速仕掛けを作ってみた。雨樋を途中で切断し、ホームセンターで購入したアメポイントなる集水継ぎ手を取り付ける。これに洗濯器用の排水ホースをつなげて、室内の浴槽に引き込んだ。(付属のホースは短い)

写真のポールは洗濯用のステンレス物干し竿、地中に埋め込みアルミテープで固定した。 

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ダムの水源に雨が降らなくても、自分の家の屋根に降ってくれれば、このとうり水は貯まる、シトシト雨でも一日降れば半分は貯まる、1.5㎥位か。この水はトイレ用や入浴用、非常時には沸かせば飲用にもなる(自己責任で)

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これがアメポイントの本体、雨水タンクとセットで様々な商品が販売されているが、かなり高額なので、これだけ買ってタンクは何でも工夫すれば良い。

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このタンクは農業用の物2㎥タイプ、ホームセンターで意外と安く手に入る。フタの真ん中に穴を開けてホースが入るようにしてある。蛇口は自分でつけた、21ミリの穴を開けてパッキンをセットすれば水は漏れない。この水は畑用や植木用、洗車などにも使う。

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丸太のテーブルを作る

丸太小屋を作った時の端材で、小さめのテーブルを作ってみる事にした。この端材はちょっと太すぎて切り落とした元口部分。長さ1m、元口40cmある。もう2年以上経つのでかなり乾燥している。

スミを出してチェーンソーで横挽きする。

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芯材の赤と白太のコントラストが綺麗に出た。

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四面を全部カットしていく。

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これが仕上げた状態。この時は角の部分は180×120になってる。

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天板になる部分、これは開口部をカットした時の端材。

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電動カンナで仕上げた。監督さん、これでいいですか?

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裏を掘り込む。

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はめ込んでみた、しかしどうもしっくりこない、不恰好である。胴の部分が太すぎるし、天板がずんぐりしてる。思い切って大幅に作り変えてみることにした。これは、こんなこともあるよ、と言う失敗の見本である。

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これが修正後の状態、胴の部分を120角にして天板を450から600に変更、すっきりしてスリムになった。天板は半丸でなく板状のほうが軽くて使いやすいと気がついた。

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室内にセットしてみる、お茶を乗せたり本を置いたりするのに重宝している。

塗料はチークオイル(亜麻仁油)を二回塗りで仕上げた、表面がしっとりして味わい深いものがある。(自画自賛かな?)

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納屋を作る

足場丸太を利用して、薪小屋をかねた納屋を作ることにした。ここに足場丸太が生きてくる。サイズは2.7m×5.4m、約4.5坪。納屋としてはやや大きい方だ、いわゆる掘っ立て小屋だが、柱は地面に直接埋めないでコンクリートアンカーの上に立てた。直接埋めるとどうしても虫食いや腐れの原因になりやすい。300角のコンクリートに鉄筋を一本埋め込み、そこに穴を開けた柱を差し込んで立てた。柱の先端はイスカに加工する。

屋根勾配は2寸とした。垂木になる丸太は150のタルキーネジで、上から一発で決めた。

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手前から、露天風呂スペース、バーベキューコーナー、奥が薪置き場となっている。露天風呂は、おいおい考えながら作る事にしているので、又の機会に紹介できると思う。

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丸太を挽き割った時の、端材を張ってみた。これが意外と風情をかもしてくれる。何でも物は使い様である、取っておいてよかった。

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床と腰壁には、基礎に使ったパネルを使用、最後まで役に立ってくれた。明かり取りの窓は不要品を頂いた物、リサイクルです。

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バーベキューのスペース、なんかいい感じ。

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薪小屋には2段の棚を設置、これも全て基礎パネル。

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屋根はホームセンターに、ガルバリウム波板があったのでこれを使った。陽の当たる時にザワザワと変な音がする、何が原因かよくわからない。

出入り口のドアはまだ付けてない、ま、いいか。

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煙突掃除

足場用のハシゴを作る

春が来て暖かくなり、もうストーブは要らなくなった。一冬お世話になった薪ストーブの、煙突掃除をすることにした。煙突掃除はシーズンが終わったら必ずしなければならない。そのまま来シーズンも使うと、煙道火災になる危険がある。

さて、屋根には脚立で登るとして、問題はその先である。勾配は6寸と緩いのだが、ガルバリウム鋼板なので滑りやすい、そこで写真のような変形のハシゴを作った。このカギの部分を煙突にまたがせる。

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これがセットしたところ、脚立とは紐でしばった、さらに脚立自体が倒れないように、鼻隠しにもしばった。

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トップがだいぶススけている、鳥の巣は無かった。

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このブラシを使う、106mm径の煙突専用ブラシ。

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上から入れていく、意外と抵抗なくスムーズに入る。1メーターの継ぎ棒を3本ねじり継ぎ、3メーターにして上下にしごき、ススを落とす。やや引っかかる感じはあるが、つっかえるような事はない。

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ストーブの煙突を外した状態、上の煙突は板で支えている。

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ストーブの中もかなりススがこびり付いてる。ワイヤーブラシでこそげ落として綺麗にした。

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45㍑のゴミ袋をテープで止める。

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落ちたススは乾燥していて、サラサラしている、いい状態に見えた。杉や松など、あまり薪として良いとは言えない樹種も燃やしたので、少し懸念があったが問題無かった。二重煙突の効用か。

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かなりの量が出た、使いはじめて終わりに近づいた頃、煙の引きが弱くなってきたのは、このせいだった。4ヶ月分も溜まっていたのだ。

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ワイヤーブラシと継ぎ棒4本セット(ホンマ製作所)

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外した煙突も綺麗に清掃。これは室内部分なので、二重煙突ではない。

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トップはワイヤーブラシとカネヘラで汚れを落とした。中からゴッソリ出てくる。

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再び組み立てる、サビも落ちて綺麗になった。

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中はガラスのスス汚れがひどかった。ビスが一本とれていたので、直した。ガスケットはまだ使えそうだ。

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これで煙突掃除は無事終了、屋根に抜く直型なので、全部分解する必要がなく、意外と簡単だった。以前、壁に抜くL型煙突を使っていた事があるが、全部外して掃除し、再度組み立てていたので、かなり手間がかかり大変だった。ススも湿ったタール状で落とすのに苦労した記憶がある。

 

 

 

総括として

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月日は矢のように過ぎ去っていく。その昔、少年老いやすく学成りがたし、一寸の光陰軽んずべからず、と教わったがまさしく当を得た言葉である。ここに地所を求めて、丸太小屋を自力で建てようと決心したのは、3年前の事であった。毎日、毎日、ワンコをオトモにここに通った、冬の冷たい風を受けても、夏の耐え難い日照りの下でも、揺るぎない目標があればこそ、自信をもって作業を進めた。仕事はとても楽しく、毎日がワクワクのしっぱなしだった。こんなに面白い体験が、今の世の中他に有るだろうか。自分の成し遂げた仕事が、目の前に確かな形として蓄積されていく。丸太が一段一段積み重なっていく、そこに深い満足感と達成感がある。明日が来るのが楽しみでしょうがない、夜は次の手順と段取りに思いを巡らせた。正味2年5ヶ月の、年月の集積がここにある。人生も終盤に近く、貴重な持ち時間を有効に使えた事がなんとも嬉しい。このささやかなブログが、これからセルフビルドを目指す方々の、少しの参考になれば幸いである。

物事には資金が必要になる、何に如何ほどかかったか、簡単に記してみる。これから取り組もうとしている皆さんの役に立つのではないだろうか。

基礎工事:581,000円

杉丸太原木:1,236,000円

材木代:836,000円

足場丸太:44,000円

クレーン代(一日レンタル):45,000円

建具代:579,000円

金物、雑費:195,000円

設備機器:378,000円

給水、給湯工事:493,000円

コンクリート、石、タイル:210,000円

屋根材:290,000円

断熱材(屋根、壁、床):57,000円

照明器具:120,000円

電気工事:306,000円

排水工事(合併浄化槽込):198,000円

ガソリン、オイル:215,000円

仮設電気代:24,000円

塗料:93,000円

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合計:5,900,000円

 

塗装工事

塗料はシッケンズのHLSeを塗った、色はナチュラル(077)。シッケンズを使う事に迷いは全く無かった、この塗料の良さは他をしのいでいる。ログハウスの為に有るような塗料だ。色はやっぱりナチュラルだろう、しかしメンテナンスで何年か先に塗り重ねをすることを考えると、もう少し薄い色があってもいいと思う。現状ではこれより薄いと、透明になってしまう。

使用量:16リットル缶×2 4リットル缶1 

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屋切りの部分は足場のあるうちに塗っておいた。これで2回塗り。説明文では3回塗るように勧めているが、自己判断で2回塗りにした。どうせ数年後にまた塗ることになる。塗ったところと未塗装の部分の対比が際立っている。 

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壁面を1回塗りした状態、壁面は脚立で塗った。 

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これで2回塗りした状態、満足のいく色になった。 

破風と鼻隠しにはキシラデコールを塗った、色はチーク。これは取り付ける前に3回塗りして乾燥させてから取り付けた。室内の丸太壁面は無塗装、建具周りはオイルステインで塗装。床はUV塗装してある板を使ったので、手間がだいぶ省けた。

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排水工事

 いよいよ工事も進んできて、後は給排水工事を残す位となった。給水工事は法的な面もあるし(水道管からの取水は指定業者のみ許可)工事の内容がかなり専門的で、専用工具も必要になる。こればかりは独断では出来ないと思い、ちょっと手を付けないほうが安心なので、設備屋さんに任せる事にした。しかし排水工事はやっても構わない(はず)自己責任でやる分には、たとえ漏れても土の中?こんなノリでやってみることにした。実は、もう一つ大きな要因があった。それは予算の問題、工事も終盤にさしかかり懐具合が寂しくなってきて、ここで出費を削らなければならなくなった。設備屋さんの見積もりだと、合併浄化槽工事と排水工事で60万ちょっとである。自分でやる場合試算してみると、20万位で出来る事がわかった。これはやらない手は無い!もう即決である。早速インターネットで合併浄化槽を検索、コンパクトな新型のクボタKZー5に決定、排水管資材は隣町のホームセンター(カインズ)で揃う事がわかった。こればかりは、初めてのことで、何をどうすればいいのやら、器材売り場でああでもないこうでもない、と現物を手にパズルを解くように悩んでいた。一度帰って、ネットとユーチューブで特訓し、設備屋さんにも教えてもらって、やっと概要をつかんだ。素人工事だがその顛末を記していきたい。役場には届けを出すだけ。(※自治体によっては、合併浄化槽の設置に補助金を出してくれる所がある、私の住んでる千葉県いすみ市は新規の設置に補助金は出してくれない)

合併浄化槽は初めに埋める、問題はその埋める深さである。排水の出る一番遠い場所からの距離を測る、約20mであった。勾配1/50で配管するので、一番遠い場所の排水出口から浄化槽にの入水口まで40cm下がっていればいい事になる。浄化槽を埋めた時にふたが地面に埋没しないように、かさ上げ用のチューブを用意しておく。

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 嵩上げ用のチューブ? 何と言う名称か分からない。半分ほどに切って使った。

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 また、近所の人にお願いして掘ってもらった。ありがたい。

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G.Lから1750掘削、掘ってみたら下は硬い粘土層であった、ラッキー!これならコンクリート打設は不要だろう、勝手に決め込んでしまう。(工事終了後も何の問題も発生してない、傾くことも沈下も無い。自分の家だ何かあれば自己責任だ)

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 これが配管資材、主管は100のVU、側管は50のVU、継ぎ手と枡、など。

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 暑い真夏にスコップの手掘りで穴を掘った、そこに枡を並べてみる。一番手前がトラップ付きの枡、これは浴室用、後はトラップ無し(設備器具にトラップが付いてる)いずれも右左の勝手がある。少しずつ勾配を付けて置いていく。

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側管の50の管の入り口に受けになる部材を付ける。 

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これがトラップ付きの枡、くぼみに水が溜まり、臭気が室内に流れ込まないようになってる。室内側には、トラップを付けてはいけない。二重トラップで流れなくなってしまう。 

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 コーナーの枡、これにも勝手がある。

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 接続したところ、接着剤は両方に付け素早くあてがう。150の管を縦に着け、フタをする。この写真が先に出てしまったが、接続は浄化槽側からやっていく。ここは最後の仕事になる。

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 とにかく、勾配をうまく取ることがコツである。流れるかどうか、勾配で決まる。

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パイプの切断はディスクグラインダーを使った、面も取るようにする。

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これはトイレの配管、トイレだけは各方向100で、おまけに入口側45度の角度が付いている。ここで大いに悩んでしまった。写真で分かるように、枡の方が下がっている、45度の角度が付いておまけに下げなきゃいけない、さてどうすればいいのやら。10分考えてひらめいた、45度のエルボをもう一つ求めて、それを二つつないで捻っていくのである、そうすると微妙な角度でピッタリはまる位置がでる。この事を探し当てた時の喜びは大きなものであった、設備屋さんなら常識の事だろうが、私にとっては世紀の大発見である。アルキメデスの気持ちが良くわかった。

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60度のエルボで曲げた。

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この先が浄化槽になってる、浄化槽には初めに接続する。

接続が終わったら、楽しい埋め戻しだ、もちろんスコップで。浄化槽を埋める時は、中に水を入れて埋める、そうしないと安定しない。付属のブロアーも取り付ける、13mmのVPで接続する。

排水工事とは関係ないが、ガス給湯器について。

この写真はノーリツの24号タイプの、エコジョーズ給湯器である。もちろん追い焚き機能付き、まともに買えば値引き済みで、138,000円位で販売されている。この給湯器は1年半使用の物を、送料込みで34,800円で手に入れた。どんな事情で手放したのか、知るよしも無いが、寿命10年が目安とされる給湯器が、この金額で手に入るならもっけの幸いではないか、廃品にするよりずっと有意義と思う。現在も快調に運転中である。(ネット通販:ワーライン) 

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